社会人院生記

おっさんの社会人大学院生日記です。

修了式

 今の時期、各大学院では修了式が行われている最中だと思う。我々、社会人院生を中心とした大学院では、土日で式が行われるのが普通だろう。

 

 私は経営修士MBA)となった。日本では、研 究系の大学院だと経営学修士となり、専門職だと経営修士または経営管理修士となる。ただ、どこまでがMBAなのかは議論があるが、経営学における専門職大学院修士MBAということが多い。専門職は研究系と異なり、修士論文は必須ではない。海外ではまず書かないが、日本では修了に向けた課題研究の1種として論文を選択できる大学院は多く、私も論文を書いた。論文は実務系の論文と、学術研究の論文を選ぶことができ、私は学術を選んだ。学術論文は、研究系の修士論文と同じであり、これが合格したので、一応は、博士課程に進学しようと思えばできる。

 

 これまで、何度も書いてきたが、我々は社会人院生だった。欧米の多くの大学では、MBAの学生になるには、実務経験を要する。日本では、大学院によって異なるが、私が進学した先は、実務経験が無ければ進学できず、殆どの学生は、仕事を持ちながら通うことになる。

 

社会人院生となると、若者学生以上に、色んな事情を抱えた人がいる。修了式にも、朝から仕事をしてから来る人、式典後に仕事に行く人、子供を連れて来るので懇親会は欠席する人、仕事で来られない人、最近失業した人、など。色んな事情が垣間見える式典だった。

 

 ある程度以上の年齢になると、体調の問題を抱える人もいる。入学直前に異動になり、バタバタした状態で入学した人もいた。仕事の事情が変わり、休みがちの人もいた。これらの人達が、文句を言い合うのではなく、お互いにカバーしあいながら協力して学びを深めていく様は、見ていてなかなか気持ちが良い。

 

 人脈に期待をしていない人は、学位記だけをもらってサッサと帰ってしまう。本来であれば、私もその手の人間なのだが、最後の記念だと思って、パーティーまで残った。期待をしていなかったが、今まで殆ど話をしたことが無い人と、会話を楽しめたのは予想外の楽しみだった。私でも、会話が楽しめるということを発見できたのは、意外だった。

 

 パーティーでは、色んな人と会話をした。みんな、色んな事情を抱えていたことが分かり、体調に問題を抱えていた私は、妙に親近感が湧いた。我々は、MBAの中でも、EMBAに分類される年齢層だろう。40代が中心の大学院だから、様々な事情を抱えながら通学していて当然なのだろうが、誰もが苦労していたことが伺えた。みんな、大変だったんだな。

 

 卒業後の状況は様々だ。私は転職先を探すが、大半の人は、急に状況がア変わるわけでもない。それでも、学位をテコにしたり、勉強の内容を活かしたりして日々の仕事に精進することになる。時には、鬱陶しくも思った人間関係だが、いざ別れてみると結構、寂しいものだ。片手間に通った大学院だと思っていたが、想像以上に、自分に大きな影響を残しているのだろう。

 

 前述の通り、私は転職先を探すつもりだ。この経験をしっかりと活かしたい。