社会人院生記

おっさんの社会人大学院生日記です。

論文執筆は役に立つか?

 以前にも書いた通り、私は修士論文を書くことを選択した。日本でMBA課程と呼ばれるものは、専門職大学院なので、研究科と異なり、修士論文は必須ではない。日本の多くの経営大学院では、修了のための条件として、修士論文を書くか、修士論文ではないが、実務面の課題についての論文を書くか、その他の成果物を提出するか、を選ぶことができる。その他は、大抵は事業計画の立案だ。

 私の大学院も同様で、私は論文を書く道を選んだ。勿論、簡単な道ではない。研究科と違い、入学時から論文を書くための教育を受けるわけではない。各授業でレポートは書くが、修士論文といえるようなものではない。専門職大学院なので、実務に繋がるレポートが主だ。

 論文なんて、読んだことはこれまでもあったが、書いたことは殆どない。書き方から勉強して、指導教授に教わり書き方を徐々に身に着けている。初めは、実務と関係ない、と思っていたが、社会の課題について、根拠を洗い出し、それに基づいて論理を組み立てる過程は、とても必要な能力だ。また、多くの本や論文を読んでいくので、様々な課題を知ることができ、先人たちの知恵も身に着く。そして、限られた時間で情報をインプットしないといけないので、処理能力も刺激される。

 論文なんて、と思いながら始めた論文の勉強だが、意外と役立つ感じもしている。学問は娯楽、と考える人からすれば、愚かなように見えるだろうが、社会科学は実学、と感じる人にとって、教授のサポートはあるが、大半の作業は自分独りで実施しなければならない。工程管理を含めた自己管理をしっかりとしながら、孤独にレベルの高い作業を進めるということは、非常に為になる作業だと感じる。

 まだ分からないが、私の残りの職業人生にとって有益になるかもしれない。