社会人院生記

おっさんの社会人大学院生日記です。

研究テーマ

 ゼミでは、個々人がテーマを決めて指導を受けながら勉強していくが、社会人院生にとっては結構難関だ。

 社会人院生が取り上げるテーマは、学部生がそのまま院生になった場合と違い、実際の社会の問題に即したテーマが多い。純然たる理論的テーマを選択する人は少ない。

 そうなると、その分野の研究が少なかったり、実証が必要となったりするケースが出てくる。これは社会人院生にとっては、結構しんどい。社会人院生は、当然ながら純然たる学生に比べて、社会を知っている点は有利になるが、使える時間は少ない。幾ら効率的に動いても、やはり時間的制約は厳しい。

 その分野でのこれまでの研究、つまり先行研究が乏しいと、理論的な枠組みがないので、研究は1から進めることになるが、社会人院生にとっては厳しい。専門職大学院だと、研究科大学院よりも授業数が多いことがあるので、仕事と勉強を両立するのは大変だ。その上、先行研究が無かったり実証実験が必要となると、かなり厳しくなる。実証実験は、内容が早い段階で固まっていれば何とかなるが、遅れると難しくなる。自分の関心テーマを早い段階で先生に伝えることは重要だ。

 さらに、関心テーマといっても具体化されていないケースも多い。私もそうだったが、関心テーマが漠然としていた。テーマというよりも、テーマの背景のような発想だけがあり、具体性が無かった。テーマが決まることが遅れたこともあり、アンケートなどの実証実験は間に合わない、ということもあり、テーマは実証を要しないものにしたのだ。

 こういう人は、多くはないが、それなりに居る。そもそも、専門職大学院へ特定の研究テーマを掲げて進学する人は多くない。むしろ、幅広く勉強して引き出しを増やすことを目的として入学してくる人の方が多い。私がそうだ。また、他で得られない人脈を形成するために来ている人もいる。テーマ決めして研究するという発想が少ないので、余計に難儀する。

 まあ、それも含めて勉強だと思っている。研究科のようなことはできないだろうが、引き出しを増やせるようなテーマで臨んでいるところ。さて、どうなることやら。