社会人院生記

おっさんの社会人大学院生日記です。

学ぶから悩む

 1年次が終わった。まだ単位が取れたのかどうか、成績がどうなのかは分からないが、レポートも全て提出し、何とか終わった。学部生の頃であれば、夏休みの課題位の分量が、1週間ごとに課されるのは大変だったが、色んなこととの兼ね合いの中で何とかこなせた。途中で脱落するのでは、と思ったこともしばしばだったが。

 周囲の人達もよく頑張っている。私が落ちこぼれなのでは? と悩むことも多いが、それでも皆、社会人をしながらよく勉強していると感心する。

 ビジネススクールに通うと、仕事の現状に対して悩みを抱くようになると言われるが、まさにその通りだ。自分が属する職場や自分が抱えている仕事の意義を勉強の中で自然と再確認するようになり、あるべき姿と現状とのギャップに悩むのだ。
 
 「あるべき姿」を自分の組織で実現したいと考えても、課題が多すぎてどこから手を付けて良いのか分からない。その上、大抵の場合、賛同してくれる人は少ない。特に上層部の年配者は、これまでの延長線上に変革を乗せて考えようとする傾向が強いので、変革の進言を上が受け入れてくれる可能性は低い。せっかく勉強しても、個人レベルの仕事でしか活かせないことが多く、悩む人が多いのだ。
 だから、ビジネススクールで知り合った者同士で起業したり、転職したりといったことが増えてくる。1年次が終わるころにそのような状況になる人は結構いると聞く。上級生でも多くが転職や起業に舵を切ったという。

 私自身もそうだ。授業の課題を通して、自社の古い体質を嫌というほど思い知らされた。自分たちが培ってきた考え方ややり方を変えるということは、勇気が要ることだ。だがそれを受け入れない限り根本的な変革はあり得ないが、子供の頃から培ってきた頭の中を入れ替えるというのは難しい。
 私が所属する会社で変革は可能だろうか? 過去の上層部や先輩たちの発言や行動を見ると、難しいと感じる。組織の在り方、仕事に対する考え方が古すぎるし、それが染みついている。むしろ「昔ながらのやり方を取り戻そう」という発想が強いが、事業の性質上、より先進的な体質が求められているので、今の発想では難しい。しかし、異を唱えると厳しく叱られるので、同僚の間でも諦めの雰囲気が色濃い。

 現状を見ると、ため息を付きたくなるが、このような気分になれたことは、ビジネススクールに通った成果ではないか、と思うと、ちょっと嬉しくなる。