社会人院生記

おっさんの社会人大学院生日記です。

中小企業 その2

 やはり感じる中小企業に勤務する人のマイノリティー感。

 ビジネススクールの同期の多くは大企業やそれに準じるような職場の人達だ。私のような中小企業出身者は3割と教授は言うが、同期に限って言えば2割くらいだ。
 
 以前にも書いたと思うが、ビジネススクールの授業内容は、基本的に大企業の人向けだ。別に差別をしているわけではないが、理論に則って展開しようとしている企業は限られる。最も感じるのは人事論の分野だ。私の職場は小規模企業といって良いような処なので人事施策なんて経営者の古い感覚によるさじ加減一つで決まる。当然、授業に出ていても感覚的にヒットするポイントは皆無だ。大企業の人たちは嬉々として議論をしていたが、私は「ブラック企業の内幕」を語る以外は参加できなかった。

 授業中に「君の職場の状況に基づいて語れ」と言われても語ることがない。「中小企業ですが・・・」と言えば、先生からは「ああ、中小か・・・」と言われて終わってしまう。

 ここに日本のビジネススクールの問題があるように思う。日本企業の99.7%は中小企業だ。ここの復活無くして日本経済の復活はあり得ない。だからこそ、中小がレベルアップする為にも中小の人が学びやすいビジネススクールであるべきだろうが、そこには対応しきれていない。大企業から来ている人の方が圧倒的に多いから、ということもあるのだろうが、モヤモヤする。

 私の通うビジネススクールにも、中小企業の問題に特化した授業はあるが、非常に少ない。何となく疎外感を感じる。

 周囲の、大企業の人たちは、当然ながら中小の感覚は分からない。中小では働き方改革を実行する余裕などないところが大半。授業の後に帰宅してから仕事をする人は、ほぼ中小の人だ。同期との飲み会など参加できるわけもないが、そうすると「付き合いが悪い」と言われ、周囲との接点が遠くなっていく。
 その辺りも残念だ。

 中小のためのビジネススクール施策が増えることを祈っている。