社会人院生記

おっさんの社会人大学院生日記です。

進学に当たって

 進学に当たって、家族には報告したが、別に「うかったぞー」といったことは周囲には言っていない。MBAについてはマイナスなイメージを持つ日本人も結構いるなあと実感しているからだ。

 合格した際に周囲の親しい数人の友人には言ったが、やはりマイナスな反応も返ってきた。MBAは金の亡者、というようなイメージだ。

 かつて、私もそう思っていたこともある。汚い世界だと思っていた。そう思いきっていたわけでもないのだが、そういう思いが心の一部にあったことも確かだ。

 だが、知り合ったMBA達にそんな人はいなかった。米国でMBAを取得したある人に聞いたところ、ビジネススクールには非営利系の人達、NPOや財団といった公益系の団体や、公務員など、も来ていたという。その人も営利の為のMBAと思っていたが、非営利系の学生に聞いてみると「利益を主な目的にするか否かの違いだけ。必要とされることはほぼ同じ」と言ったそうだ。

 つまり、企業だけでなく、およそ組織や団体が社会で活動することに必要なことは概ね共通しており、ビジネススクールで学べるということらしい。
 そうなると、それはマーケティング以外の科目のことかとも思ってしまうのだが、マーケティング関連の授業にも非営利の学生がいたそうだ。彼に聞いてみたところマーケティングとは「自分たちの外の人たちの傾向を知り、その人たちのニーズを汲み取り、その人たちに働きかけ、価値を交換してもらえるようにすること」だと言った。それは「営利かどうかには関係なく有用なもので、社会で広く活動したければ必要な考え方だ」と言われたそうだ。

 なるほど、と思った。確かにその通り。勝手に「金の亡者」とか思い込んでいた自分が恥ずかしい。経営学とは社会で働く為に必要な基礎知識なのかもしれない。

 だが、周囲ではマイナスなイメージが多いことも事実で、周囲にはあまり言わないことに決めた。